薬剤師のためのNISA入門|新NISAの仕組みと始める前の注意点
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どーも、病院薬剤師のひゃくさんです。「NISAは名前を聞いたことがあるけど、仕組みはよく分からない」「何から調べればいいのか分からない」という薬剤師に向けて、この記事を書きました。新NISAの仕組みを、金融庁などの公式の情報に沿って整理しています。投資をすすめる記事ではありません。始めるかどうかを決める前に、制度を正しく知るための記事です。
PR(広告):この記事には広告を含みます。記事の最後で、お金の学び直しの選択肢として、ABCash(お金のトレーニングスタジオ)の体験会を広告として案内しています。制度の説明は、広告とは関係なく、公式の情報をもとに書いています。
新NISAの枠 つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は年間240万円。2つを併用すると、年間で最大360万円です。
非課税保有限度額 生涯で1,800万円(買ったときの金額で数えます)。成長投資枠は、そのうち1,200万円までです。
忘れてはいけないこと 株式や投資信託は、預金とは違い、元本割れのおそれがあります。NISA口座で出た損失は、ほかの口座の利益と相殺できません。
新NISAの全体像
薬剤師の仕事は、給与が安定している人が多い一方で、貯蓄や資産形成の制度について学ぶ機会はあまりありません。NISAは、その制度のひとつです。年収の目安を知りたい人は薬剤師の年収まとめ、初任給を比べたい人は初任給の比較を見てください。
NISA(少額投資非課税制度)は、NISA口座で買った株式や投資信託などから得た利益に、税金がかからなくなる制度です。金融庁は、通常は売却して得た利益や受け取った配当・分配金に約20%の税金がかかると説明しています。この約20%は、所得税15%、地方税5%、復興特別所得税0.315%を合わせた20.315%のことです。NISA口座で投資した商品から得られる運用益(売却益と配当・分配金)は、非課税になります。
2024年に、NISAは大きく変わりました。次の表は、新NISAの概要です(出典:金融庁)。
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 併用 | できる(2つ合わせて年間最大360万円) | |
| 非課税保有限度額(総枠) | 1,800万円(買ったときの金額で管理)。成長投資枠は、そのうち1,200万円まで | |
| 非課税保有期間 | 無期限 | 無期限 |
| 制度(口座開設期間) | 恒久化 | 恒久化 |
| 投資できる商品 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 | 上場株式・投資信託など(一部は除外) |
| 対象年齢 | 18歳以上 | 18歳以上 |
旧NISAとの違いは、大きく3つあります。旧制度では、一般NISAは買った年から5年間、つみたてNISAは買った年から20年間だけ非課税でした。新NISAは、非課税保有期間が無期限で、制度も恒久化されています。また、2023年末までに旧制度の口座で買った商品は、新NISAの1,800万円の外側で管理されます。2024年以降は、旧制度での新しい買付けはできません(売却はできます)。旧制度の商品を、新NISAに移すことはできません。
口座を開設できるのは、居住者などで、口座を開設する年の1月1日時点で18歳以上の人です。
つみたて投資枠と成長投資枠
つみたて投資枠
長期の積立・分散投資に適した、一定の投資信託が対象です。金融庁の資料によると、対象になる投資信託には次のような条件があります。
信託契約期間が無期限または20年以上であること。毎月分配型でないこと。ヘッジ目的以外でデリバティブ取引による運用を行わないこと。販売手数料がゼロであること。信託報酬が一定の水準以下であること。解約手数料と口座管理料もゼロであること。インデックス運用の投資信託は、金融庁が指定した指数に連動するものに限られます。アクティブ運用の投資信託には、純資産額50億円以上、運用実績5年以上などの条件があります。
成長投資枠
上場株式や投資信託などが対象です。ただし、次のものは除かれます。整理銘柄(上場廃止が決まっている銘柄)、監理銘柄(上場廃止基準に該当するおそれがある銘柄)、信託期間が20年未満の投資信託、ヘッジ目的以外でデリバティブ取引を利用する投資信託、毎月分配型の投資信託です。
非課税保有限度額は、つみたて投資枠と成長投資枠を合わせて1,800万円です。数え方は、時価ではなく、買ったときの金額(簿価)です。限度額は利用者ごとに管理され、複数の金融機関に商品を持っていても、すべて合算されます。成長投資枠だけを使う場合は、1,200万円が上限です。年間の上限どおりに2つの枠を使い続けると、1,800万円には最短で5年で届く計算になります。
売却した枠の再利用もできます。商品を売却すると、売却した商品の簿価の分だけ、非課税保有限度額が翌年以降に復活します。たとえば、買ったときの金額が100万円の商品を売れば、100万円分の限度額が翌年以降に再び使えるようになります。ただし、復活した分が、その年の年間投資枠に上乗せされるわけではありません。また、2023年までのNISA口座で持っている商品を売っても、新NISAの限度額は復活しません。
非課税の意味と注意点
非課税になるのは、利益が出たときの税金です。大事なのは、株式や投資信託は、預金とは異なり、元本割れのおそれがあるという点です。金融庁も、NISAの資料で、投資には元本割れ等のリスクを伴うと明記しています。非課税になることは、損をしないことを意味しません。
金融庁は、リスクを可能な限り軽くする方法として、長期・積立・分散投資が有効な選択肢のひとつだと説明しています。ただし、同じ資料に、将来の運用成果を予測・保証するものではないとも書かれています。
そのほかの注意点を、公式の資料から整理します。
知っておきたい5つのこと
損益通算も繰越控除もできません。NISA口座で損失が出ても、特定口座や一般口座の利益と相殺することはできません。損失を翌年以降に繰り越すこともできません。国税庁も、NISA口座内の上場株式等の譲渡損失は、損益通算も繰越控除もできないと案内しています。
口座は1人1口座です。金融機関は、1年単位で変更できます。つみたて投資枠と成長投資枠を、異なる金融機関で使うことはできません。もし二重に口座を開設してしまった場合は、NISA口座で買った商品が、特定口座または一般口座に移されます。
金融機関を変えると、枠の再利用に制約があります。変更前の金融機関で持っていた商品を売却した場合、その枠を再利用できるのは、変更後の金融機関のNISA口座に限られます。
配当金を非課税にするには、受取方法の指定が必要です。NISA口座で買った株式の配当金を非課税にするには、受取方法を株式数比例配分方式にする必要があると、金融庁の資料に書かれています。
配当は、企業の判断で支払われないことがあります。金融庁の資料にも、企業の判断によっては支払われない場合があると書かれています。
積立シミュレーション
毎月の積立額、年利、年数を入れると、最終的な評価額と運用益がわかります。年利は、1年あたりの平均で増えると仮定した数字です。いくつかの年利を並べた表も出るので、年利が違うとどのくらい差が出るかを見比べられます。
始めるまでの流れ
NISAを使うには、証券会社や銀行などの金融機関で、NISA口座を開設する必要があります。大まかな流れは次のとおりです。ここで書くのは一般的な流れです。どの金融機関を選ぶか、何に投資するかは、この記事では案内しません。
口座開設から運用開始まで
1. 金融機関を決める。NISA口座を取り扱っている金融機関から選びます。口座は1人1口座で、金融機関は1年単位で変更できます。変更すると枠の再利用に制約が出るので、先に確認しておきましょう。
2. NISA口座を開設する。本人確認書類などを用意して、申し込みます。手続きの方法は、金融機関ごとに違います。
3. 投資する商品と金額を決める。つみたて投資枠と成長投資枠のどちらを使うか、使わないかも含めて、自分で判断します。つみたて投資枠の対象商品は、金融庁が届出一覧を公開しています。
4. 買付けを始める。つみたて投資枠は積立で、成長投資枠は積立でも一括でも買えます。買った後も、定期的に保有している商品の状態を見直します。
5. 口座を開設した金融機関が分からなくなったとき。税務署に相談すると確認できます。
NISAの前に考えておくこと
金融庁は、NISAの利用者に理解してほしい事項として、まず、自分のライフプランやライフステージを踏まえて、どんな資金が必要になり、それにどんな資産形成が必要かをよく考えることを挙げています。そして、資産形成はNISA以外の選択肢も含めて、さまざまな方法や制度を適切に組み合わせることが重要だとしています。
金融庁の「資産形成の基本」のページには、はじめに家計管理とライフプランを考えること、預貯金・株式・債券・投資信託などの主な金融商品を、安全性・収益性・流動性の面から比べること、長期・積立・分散の考え方を知ることが載っています。NISAの口座を作る前に、次のような点を整理しておくと、制度の説明が自分ごととして読みやすくなります。
- 毎月の収入と支出が、どれくらいか
- 近い将来に使う予定のお金と、当面使わないお金を、分けて考えられるか
- 株式や投資信託の値動きがあることを、どう受け止めるか
これらは、家計やライフプランによって答えが変わります。この記事では、金額や割合の目安は示しません。
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よくある質問
新NISAでは、年間いくらまで投資できますか?
つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円で、2つを併用すると年間で最大360万円です。生涯の非課税保有限度額は1,800万円(買ったときの金額で管理)で、成長投資枠はそのうち1,200万円までです。
NISAで売却すると、非課税の枠は元に戻りますか?
売却した商品の買ったときの金額の分だけ、非課税保有限度額が翌年以降に復活し、再利用できます。復活した分が、その年の年間投資枠に上乗せされるわけではありません。2023年までのNISA口座で持っていた商品を売却しても、新NISAの限度額は復活しません。
NISAで損失が出たら、ほかの利益と相殺できますか?
できません。NISA口座で出た損失は、特定口座や一般口座の利益と損益通算できず、翌年以降に繰り越すこともできません。株式や投資信託には、元本割れのおそれがあります。
NISA口座は、いくつ作れますか?金融機関は変えられますか?
NISA口座は、1人1口座だけ開設できます。金融機関は、1年単位で変更できます。ただし、変更前の金融機関で持っていた商品を売却した場合、その枠を再利用できるのは、変更後の金融機関のNISA口座に限られます。
こどもNISAは、もう始まっていますか?
2026年10月1日の確認時点では、始まっていません。令和8年度税制改正の大綱には、2027年(令和9年)から、つみたて投資枠の年齢要件をなくし、0〜17歳の年間投資枠を60万円、非課税保有限度額を600万円とする案が示されています。予定の内容で、細かな運用は今後決まります。最新の情報は、金融庁のNISA特設サイトで確認してください。
出典と確認日
この記事の数字や制度の説明は、次の公式の資料で確認しました(確認日:2026年10月1日)。記事の内容は、現時点の制度にもとづきます。この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、特定の金融商品や金融機関をすすめるものではなく、投資の助言でもありません。実際の判断は、ご自身の責任で行ってください。
- 金融庁 NISA特設ウェブサイト
- 金融庁 新しいNISA(2024年〜)
- 金融庁「NISAを利用する皆さまへ」(令和6年6月、令和7年9月改訂):非課税保有限度額、売却枠の再利用、対象商品の条件、1人1口座、金融機関の変更、損益通算・繰越控除、元本割れのリスク、配当金の受取方法
- 金融庁 NISAを知る(資産形成の基本)
- 金融庁「令和8(2026)年度税制改正について」(2025年12月):未成年者のつみたて投資枠などの予定
- 国税庁 タックスアンサー No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除
- ABCashの紹介文は、広告主の案内にもとづきます。

