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Ca拮抗薬|図解でわかる作用機序 副作用はなぜ起きる?

ひゃくさん

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どーも、病院薬剤師のひゃくさんです。Ca拮抗薬の副作用がなぜ起きるのかを、作用機序の図からたどります。主な出典は、アムロジピン・ベラパミル・ジルチアゼムの添付文書とインタビューフォーム(IF)、高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)、便通異常症診療ガイドライン2023です。

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どんな薬? アムロジピンは高血圧と狭心症に使います。血管の筋肉にCa²⁺が入る通り道をふさぎ、血管をゆるめて血圧を下げる薬です。

副作用はなぜ起きる? むくみは、細動脈が広がるのに細静脈が伴わず、毛細血管の圧が上がるためです。便秘は、腸の筋肉の収縮が弱まるため、とガイドラインにあります。

何に気をつける? むくみに利尿薬が足されることがあるので、むくみの出た時期と薬が変わった時期を処方医に伝えます。脈の遅れにも、ベラパミルとジルチアゼムは注意します。

Ca拮抗薬は、どうやって効く?

ふだんは血管の筋肉の細胞にCa2+がチャネルから入って筋肉が縮み、Ca拮抗薬を飲むとCa2+の流入が減って筋肉がゆるむことを上下で比べた図

上の図の01のとおり、血管の壁には平滑筋(自分の意志で動かせない筋肉)があります。この筋肉の細胞にCa²⁺が入ると、筋肉が縮みます。

アムロジピンは、細胞膜にある膜電位依存性カルシウムチャネル(Ca²⁺の通り道)に結合して、細胞内へのCa²⁺の流入を減らします。すると冠血管や末梢血管の平滑筋がゆるみ、血管が広がって血圧が下がります(図の02)。IFは、効果の発現は緩徐で持続的であり、心抑制作用は弱く血管選択性が認められている、と書いています。

ベラパミルとジルチアゼムも、Ca²⁺の流入を抑える点は同じです。この2剤はDHP系とは別の種類(非DHP系)で、心臓にも作用します。ベラパミルの添付文書は、麻酔イヌの実験で、特に房室結節(心房から心室へ電気を伝える部分)に作用して房室伝導を遅らせる、と書いています。ジルチアゼムの添付文書は、洞結節の自発周期と房室結節内の伝導時間を僅かに延長する、と書いています。

副作用はなぜ起きる?

Ca拮抗薬がCa2+の流入を減らすことを起点に、むくみ、ほてり・頭痛・動悸、徐脈・房室ブロック、便秘へつながる道すじを4本並べた図

上の図のとおり、4つの副作用を、資料に書かれた道すじでたどります。1つずつ見ていきます。

むくみ(浮腫)

なぜ? JSH2025は、浮腫は細動脈拡張に細静脈拡張が伴わず、毛細血管圧が上昇することによるもので、心不全による浮腫とは異なる、と書いています。総説(Sica)は、細動脈の抵抗が下がるのに静脈側の抵抗が釣り合わず、毛細血管の手前の圧が上がって、水分が間質(細胞のすき間)に移ると説明しています。JSH2025の言い方を言い換えると、広がるのは入口の細動脈のほうで、出口の細静脈はついてこない、という対比です(図の01)。

どんな症状? 末梢(足など)の浮腫です。アムロジピンの添付文書では、「その他の副作用」の0.1〜1%未満に載っています。ただし臨床研究では、数十%で報告があります(くわしい条件)。

どう防ぐ・どう伝える? 添付文書は、増量して10mgを投与した場合に高い頻度で認められた、と書いています。Sicaの総説は、対処としてCa拮抗薬の変更、減量、静脈を広げる薬(ACE阻害薬やアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)など)の追加を挙げています。やめる・減らす・替えるを決めるのは処方医なので、患者さんには、むくみが出た時期と薬が変わった時期を伝えてもらいます。

むくみに利尿薬が足されるケースがあります。2020年のカナダの研究では、66歳以上の高血圧患者でCa拮抗薬を新しく始めた人は、90日以内にループ利尿薬が出される割合が1.4%で、ACE阻害薬かARBで始めた人の0.7%、降圧薬と無関係の薬で始めた人の0.5%より高くなっていました。浮腫のために出されたかどうかは、この研究では確かめられていません。総説(Meléndez-Flores)は、この浮腫を体液量の過剰と考えて利尿薬を出すと、電解質異常や急性腎障害などにつながりうる、としています。

顔のほてり・頭痛・動悸

なぜ? アムロジピンの添付文書には、ほてり(熱感、顔面潮紅等)、頭痛・頭重、動悸が、どれも0.1〜1%未満で載っています。添付文書とIFに、理由は書かれていません。総説(Russell RP. Hypertension. 1988;11:II42-II44)は、Ca拮抗薬の副作用の多くは薬理作用から予測できるとして、めまい・頭痛・顔のほてり・動悸を、血管拡張に伴う症状としてまとめています。ただし、この記述はニフェジピンで起きやすいと書かれたものです。アムロジピンについて同様に書いた資料は確認していません(図の02)。

血中濃度との関係は、ニフェジピン徐放錠(アダラートCR)の添付文書に書かれています。割ったり、かみ砕いたりして服用すると血中濃度が高くなり、頭痛、顔面潮紅等の副作用が発現しやすくなる可能性がある、という記載です(14.1.1)。

反射性頻脈(血圧が下がったあとに脈が速くなる反応)は、ノルバスク錠の過量投与の項(13.1)に、過度の末梢血管拡張により、ショックを含む著しい血圧低下と反射性頻脈を起こすことがある、と書かれています。JSH2025は、短時間作用型ニフェジピンは降圧に伴う反射性交感神経活性化を来し、心筋酸素消費量を増加させる可能性がある、と書き、アムロジピンはそれを生じにくいとしています。

どんな症状? 顔のほてり、頭痛、頭が重い感じ、動悸です。

どう防ぐ・どう伝える? アダラートCRは、割らずに、かまずに、そのまま飲んでもらいます。動悸が続くときは受診してもらいます。

徐脈・房室ブロック

なぜ? ワソラン錠の添付文書は、禁忌の第II度以上の房室ブロック・洞房ブロックの理由を、「本剤は房室結節、洞結節を抑制する作用を有し、刺激伝導を更に悪化させることがある」と書いています(2.2)。ジルチアゼム錠の添付文書は、2度以上の房室ブロックと洞不全症候群を禁忌とし、理由を「心刺激生成抑制作用、心伝導抑制作用が過度にあらわれるおそれ」と書いています。ジルチアゼム錠の添付文書(18.)では、洞結節の自発周期と房室結節内の伝導時間への作用は、僅かな延長とされています(図の03)。

アムロジピンにも、房室ブロック(0.1%未満)・徐脈(頻度不明)の記載があります(ノルバスク11.1.3・11.2)。

どんな症状? ジルチアゼム錠の添付文書は、完全房室ブロックと高度徐脈の初期症状として、徐脈、めまい、ふらつきを挙げています。ベラパミル錠は、重大な副作用に心不全、洞停止、房室ブロック、徐脈、意識消失を載せています。

どう防ぐ・どう伝える? 脈が遅い、ふらつく、気が遠くなるときは、すぐ連絡してもらいます。ジルチアゼム錠は、高度の徐脈(50拍/分未満)や1度の房室ブロックのある人に慎重に使う、と書かれています。

便秘

なぜ? 便通異常症診療ガイドライン2023(BQ3-5)は、「カルシウム拮抗薬は,細胞内へのカルシウム流入抑制作用により腸管平滑筋収縮を抑制することで便秘を生じさせる」と書いています(図の04)。ガイドラインの表1に薬品名が挙がっているのは、ベラパミルとニフェジピンです。ジルチアゼム錠とベラパミル錠の添付文書にも、便秘は0.1〜5%未満で載っています。

どんな症状? 便が出にくくなります。

どう伝える? 便秘が続くときは、相談してもらいます。

機序とは別に注意する副作用・安全情報

  • 歯肉肥厚:アムロジピンの添付文書では、口腔の欄に「(連用により)歯肉肥厚」が頻度不明で載っています。ベラパミルとジルチアゼムの添付文書にも記載があります。機序は、はっきりしていません。薬剤性歯肉肥厚について、仮説が複数あることを評価した総説があります(Brown RS et al. J Oral Pathol Med. 1991;20:201-209)。薬剤性歯肉肥厚全般についても、2026年の報告(Zhu Q et al. Front Pharmacol. 2026;17:1775430)の抄録に、病態の機序が不明(unclear pathogenesis)と書かれています。長く飲む薬なので、歯ぐきの腫れに気づいたら、医師か薬剤師に伝えてもらいます。
  • めまい・ふらつき:アムロジピンの添付文書は、降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので、高所作業や自動車の運転等には注意させる、と書いています(8.1)。
  • 重大な副作用(アムロジピン):劇症肝炎、肝機能障害・黄疸、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少、房室ブロック、横紋筋融解症が載っています。
  • 急な中止:ジルチアゼム錠の添付文書は、Ca拮抗剤を急に中止したとき症状が悪化した症例が報告されているので、休薬するときは徐々に減量する、と書いています。
  • 心不全のある人:アムロジピンの添付文書は、非虚血性心筋症による重度心不全患者の海外臨床試験で、プラセボ群より本剤群で肺水腫の頻度が高かったとの報告がある、と書いています(9.1.2)。

同じ薬効群の薬は、どう違う?

代表的な4剤を、添付文書とIFで確認できた範囲で並べます。

一般名(商品名) 適応 特徴
アムロジピン(ノルバスク、アムロジン) 高血圧症、狭心症 DHP系。1日1回。10mg単回投与で約35時間(先発の消失半減期)
ニフェジピン徐放錠(アダラートCR) 高血圧症、腎実質性高血圧症、腎血管性高血圧症、狭心症、異型狭心症 DHP系。徐放製剤。割る・かみ砕くは避ける
ベラパミル(ワソラン) 頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍)、狭心症、心筋梗塞(急性期を除く)など 非DHP系。1回40〜80mgを1日3回。便秘、房室伝導時間の延長が載る
ジルチアゼム(ヘルベッサー錠) 狭心症、異型狭心症、本態性高血圧症(軽症〜中等症) 非DHP系。1日3回の徐放錠。かみ砕かない(14.1)。内服に頻脈性不整脈の適応はない

禁忌は、薬ごとに違います(添付文書2.)。

薬 禁忌
アムロジピン ジヒドロピリジン系化合物に対し過敏症の既往歴のある患者
ベラパミル(ワソラン錠) 重篤なうっ血性心不全/第II度以上の房室ブロック、洞房ブロック/妊婦又は妊娠している可能性のある女性/本剤の成分に対し過敏症の既往歴/イバブラジン塩酸塩を投与中/ロミタピドメシル酸塩を投与中
ジルチアゼム(ヘルベッサー錠) 重篤なうっ血性心不全/2度以上の房室ブロック、洞不全症候群(持続性の洞性徐脈(50拍/分未満)、洞停止、洞房ブロック等)/本剤の成分に対し過敏症の既往歴/妊婦又は妊娠している可能性のある女性/アスナプレビルを含有する製剤、イバブラジン塩酸塩、ロミタピドメシル酸塩を投与中

アムロジピンとニフェジピンの妊婦への投与は、2022年11月の審議を経て、禁忌から有益性投与に改訂されました。

患者さんには、どう伝える?

  • むくみ:「足がむくんだら、いつ頃からかを教えてください。薬の影響のことがあるので、自分でやめずに相談してください。」
  • ほてり・頭痛:「顔のほてりや頭痛が続くときは、相談してください。」
  • アダラートCR:「割ったりかんだりせずに、そのまま飲んでください。」
  • ベラパミル・ジルチアゼム:「脈が遅い感じやふらつきがあるときは、すぐ連絡してください。」
  • どの薬も:「血圧が下がっても、自分の判断で急にやめないでください。」
くわしい条件

むくみの頻度は、資料で桁が違う

アムロジピンの添付文書では、浮腫は「その他の副作用」の0.1〜1%未満です。一方、エチオピアの後ろ向きコホート(292例・アムロジピン94.8%)では38.7%、総説(Meléndez-Flores)は最大70%と書いています。測り方が違う数字なので、片方だけを見ると誤解します。

10mgで増える浮腫(アムロジピン)

ノルバスク錠の添付文書(17.1.2)は、国内第III相試験で、浮腫が5mg群で0.6%、10mg群で3.3%だったと書いています。この試験は、5mgを8週間飲んでも収縮期血圧が140mmHg以上だった305例を、10mgと5mgに分けて8週間投与したものです。5mgで効果不十分だった人が対象の試験なので、5mg服用者全体の頻度は別に考えます。

RAS阻害薬を併用したときの浮腫

25の無作為化比較試験・17,206例のメタ解析(Makani)で、Ca拮抗薬にRAS阻害薬を併用すると、末梢浮腫はCa拮抗薬単剤より38%低く(RR 0.62、95%CI 0.53-0.74)、浮腫による中止も62%低くなりました(RR 0.38)。相対的な数字です。すでにフロセミドを飲んでいる人にACE阻害薬やARBを新しく足すときは、フロセミド側の添付文書に、高度の血圧低下や腎機能悪化の併用注意があります。

アムロジピンの位置づけ

JSH2025は、アムロジピンを「もっとも頻用される降圧薬」と書き、長時間作用型DHP系Ca拮抗薬を主要降圧薬に挙げています。

グレープフルーツ

アムロジピンの添付文書は、グレープフルーツに含まれる成分が本剤の代謝を阻害し、血中濃度が上昇する可能性があるとして、併用注意に載せています。ワソラン錠の添付文書も、グレープフルーツジュースとの同時服用をしないよう注意することと書いています。

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ご利用にあたって この記事は、薬剤師など医療従事者に向けて、添付文書や公開資料をもとに一般的な情報をまとめたものです。個々の患者さんへの投与や治療の判断は、最新の添付文書と、医師・薬剤師の判断に従ってください。内容の正確さには注意を払っていますが、正確性や最新性を保証するものではありません。この記事の情報を利用したことで生じたいかなる損害についても、当ブログは責任を負いかねます。

よくある質問

Ca拮抗薬のむくみは、なぜ起きるのですか?

JSH2025は、細動脈拡張に細静脈拡張が伴わず、毛細血管圧が上昇することによる、と書いています。心不全による浮腫とは異なります。アムロジピンの添付文書では、増量して10mgを投与した場合に高い頻度で認められたとされています。

Ca拮抗薬のむくみに、利尿薬は使えますか?

総説(Meléndez-Flores)は、この浮腫を利尿薬が効きにくい浮腫と表現し、体液量が過剰だと考えて利尿薬を出すと、電解質異常や急性腎障害などにつながりうる、としています。Sicaの総説は、利尿薬は浮腫をある程度動かせるものの、血漿量をさらに減らす、としています。対処として、総説はCa拮抗薬の減量や変更、ACE阻害薬やARBの追加を挙げています。決めるのは処方医なので、むくみの出た時期と薬が変わった時期を伝えてもらいます。

ベラパミルやジルチアゼムで脈が遅くなるのは、なぜですか?

ワソラン錠の添付文書(2.2)は、ベラパミルは房室結節、洞結節を抑制する作用を有し、刺激伝導を更に悪化させることがある、と書いています。ジルチアゼム錠の添付文書は、洞結節の自発周期と房室結節内の伝導時間を僅かに延長する、と書いています。脈が遅い、ふらつく、気が遠くなるときは、すぐ連絡してもらいます。

薬の使い分けをPDFにまとめています。気になる方は薬の使い分けPDFもどうぞ。

出典・更新日

更新日:2026年10月2日。添付文書は、いずれも2026年10月2日に確認しました。

  • ノルバスク錠/OD錠 添付文書(2026年5月改訂、第8版)。KEGG MEDICUS japic_code=00058792:6.、9.1.2、11.1、11.2、13.1、17.1.2
  • アムロジピンベシル酸塩錠/OD錠「アメル」 医薬品インタビューフォーム(共和薬品、2025年1月改訂、第26版):作用機序、副作用
  • アムロジピンOD錠「TCK」 添付文書(2026年6月改訂、第3版)。KEGG MEDICUS japic_code=00061937:8.1、10.2
  • アダラートCR錠 医薬品インタビューフォーム(バイエル薬品、2025年1月改訂、第11版):14.1.1
  • ヘルベッサー錠30/60 添付文書(2026年9月改訂、第3版)。JAPIC PINS 00050628:2.、8.、9.1、11.1、11.2、14.1、18.1
  • ワソラン錠40mg 添付文書(2025年2月改訂、第2版)。JAPIC PINS 00052429:2.、11.1、11.2、18.1
  • 日本高血圧学会. 高血圧管理・治療ガイドライン2025(第2部 Ca拮抗薬)
  • 日本消化管学会. 便通異常症診療ガイドライン2023(慢性便秘症)BQ3-5、表1
  • 厚生労働省. 医薬品・医療機器等安全性情報 No.398(2023年2月)
  • Russell RP. Hypertension. 1988;11:II42-II44
  • Brown RS et al. J Oral Pathol Med. 1991;20:201-209
  • Zhu Q et al. Front Pharmacol. 2026;17:1775430
  • Sica D. J Clin Hypertens (Greenwich). 2003;5:291-294,297
  • Meléndez-Flores JD et al. Am J Med Sci. 2025;370:199-202
  • Savage RD et al. JAMA Intern Med. 2020;180:643-651
  • Makani H et al. Am J Med. 2011;124:128-135
  • Tolla KS et al. PLoS One. 2026;21:e0336659

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病院で働く薬剤師。薬剤師国家試験合格までの経験や薬剤師として学んだ事感じた事をブログやInstagramで発信しています。Instagramフォロワー13万人
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