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ループ利尿薬|図解でわかる作用機序 副作用はなぜ起きる?

ひゃくさん

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どーも、病院薬剤師のひゃくさんです。ループ利尿薬の副作用がなぜ起きるのかを、作用機序の図からたどります。扱う薬は、フロセミド(ラシックス)、アゾセミド(ダイアート)、トラセミド(ルプラック)です。主な出典は、3剤の添付文書と、ラシックス錠のインタビューフォーム(IF)です。

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どんな薬? 腎臓のヘンレ係蹄上行脚で、Na⁺・K⁺・2Cl⁻をまとめて血液へ戻す共輸送体をふさぎ、尿に出す薬です。心性・腎性・肝性の浮腫などに使います。

副作用はなぜ起きる? 低カリウム血症・低ナトリウム血症・低カルシウム血症・高尿酸血症・脱水・難聴を取り上げます。

何に気をつける? 連用中の電解質の検査と、急な利尿による脱水・立ちくらみです。アミノグリコシド系抗生物質との併用(3剤)や、シスプラチンとの併用(ラシックスとダイアート)では、聴覚障害が増強されるおそれがあります。

ループ利尿薬は、どうやって効く?

ヘンレ係蹄上行脚でNa⁺-K⁺-2Cl⁻共輸送体がNa⁺、K⁺、Cl⁻を血液へ戻すふだんの様子と、ループ利尿薬がそれをふさぎ、Na⁺とCl⁻の再吸収が抑えられて水とともに尿へ出ていく様子の図

上の図の上段が、ヘンレ係蹄(尿細管のU字の部分)の上行脚での、ふだんの様子です。管の中のNa⁺、K⁺、2個のCl⁻が、細胞膜にある共輸送体を通って、いっしょに血液へ戻されます。

ループ利尿薬は、この共輸送体をふさぎます。下段のように、Na⁺とCl⁻の再吸収が抑えられ、水とともに尿へ出ていきます。ダイアートの添付文書(18.1)は主としてヘンレ係蹄上行脚、ルプラックの添付文書(18.1)はヘンレ係蹄の上行脚としています。ラシックスの添付文書(18.1)は、イヌの実験で腎尿細管全域(近位、遠位尿細管及びヘンレ係蹄)のNa、Clの再吸収が抑えられる、と書いています。共輸送体という記載は、フロセミド錠「武田テバ」のIF(2017年6月改訂、第13版)のものです。

副作用はなぜ起きる?

ループ利尿薬を飲んだあとの、低カリウム血症・低ナトリウム血症・難聴・脱水と立ちくらみが起こる道すじを、フロセミドのインタビューフォームの説明などから並べた図

上の図の道すじは、ラシックス錠のIF(2026年4月改訂、第14版)の説明が中心です。以下で「ラシックスのIF」と書くのは、このIFです。

低カリウム血症

なぜ? 3剤とも、添付文書に載っています。ラシックスのIFは、道すじを2つ挙げています。1つは、ヘンレ係蹄や遠位尿細管起始部でNa⁺の再吸収が止まり、遠位尿細管内のNa⁺濃度が高くなって、Na⁺とK⁺の交換が活発になることです。もう1つは、循環血漿量の減少でアルドステロンの分泌が増え、K⁺の排泄が増えることです。

どんな症状? ルプラックの添付文書は、重大な副作用として低カリウム血症と高カリウム血症を載せ、血清カリウム値の異常変動に伴い、不整脈、全身倦怠感、脱力が出るおそれがある、と書いています(11.1.3)。ラシックスの添付文書は、低カリウム血症を伴う心室性不整脈(Torsade de pointes)が出ることがある、と書いています(11.1.6)。

どう防ぐ・どう伝える? 連用するときは、電解質を定期的に検査します(3剤とも8.2)。高齢者は低カリウム血症があらわれやすい、と3剤とも書かれています(9.8)。次の薬との併用では、特に注意します(3剤とも10.2)。

  • ジギタリス剤:ラシックスとダイアートは、血清カリウム値と血中ジギタリス濃度に注意すると書いています。ルプラックは、血清カリウム値をモニターし、カリウム剤を補充すると書いています。
  • グリチルリチン製剤・糖質副腎皮質ホルモン剤・副腎皮質刺激ホルモン(ACTH):カリウム排泄作用が重なり、低カリウム血症が出るおそれがあります。

低ナトリウム血症

なぜ? 3剤とも、添付文書に載っています。ラシックスのIFは、Na⁺の再吸収の低下のためと、循環血漿量の低下による抗利尿ホルモン(ADH)の分泌の亢進が水の再吸収を促進するため、低ナトリウム血症を起こす、と説明しています。

どんな症状? IFは、脱力と起立性低血圧を挙げ、120mEq/L以下になると意識障害が出る、と書いています。

どう防ぐ・どう伝える? 高齢者は、あらわれやすいと書かれています(9.8)。減塩療法中の人は、起こすおそれがある(ダイアートは「起こすことがある」)と書かれています(9.1.5)。男性の夜間多尿による夜間頻尿に使うデスモプレシン酢酸塩水和物(ミニリンメルト)は、低ナトリウム血症が出るおそれがあるため、3剤とも併用禁忌です(10.1)。カルバマゼピンとの併用でも、症候性の低ナトリウム血症が出ることがあります(3剤とも10.2)。

低カルシウム血症

なぜ? ラシックスの添付文書に載っています(11.2)。ラシックスのIFは、フロセミドが上行脚でNaClの再吸収を抑えると同時にCa²⁺の再吸収も抑えるため、尿中のCa²⁺の排泄が続き、低カルシウム血症を起こす、と説明しています。

どんな症状? 添付文書は、連用中に電解質を定期的に検査するよう求めています(3剤とも8.2)。

高尿酸血症

なぜ? ラシックスのIFは、Na⁺の再吸収が抑えられた代償として、近位尿細管で尿酸の再吸収が促進され、尿酸の血中濃度が上がる、と説明しています。ダイアートのIFは、尿細管での尿酸クリアランスの低下と、利尿による体液量の減少が理由だと書いています。

どんな症状? 血液検査の尿酸値で気づきます。

どう防ぐ・どう伝える? 本人または両親・兄弟に痛風、糖尿病がある人は、痛風発作を起こすおそれがあり、糖尿病が悪化するおそれもあります(3剤とも9.1.2)。

難聴(アミノグリコシド系との併用を含む)

なぜ? ラシックスの添付文書には、重大な副作用として難聴が載り(11.1.4)、11.2にも聴覚障害が載っています(頻度不明)。ラシックスのIFは、内耳のらせん器の外有毛細胞に一時的に作用するフロセミドの薬理作用と考えられている、と書いています。外有毛細胞の膜のATPaseが傷害されると、Na⁺と水が入って細胞が膨らむためと考えられている、という説明です。ルプラックのIFは、動物実験(ネコ)で聴覚毒性が報告されており、その機序は外有毛細胞に一時的に作用する薬理作用によると考えられている、と書いています。

どんな症状? ラシックスのIFは、聴力の低下、耳閉感、めまい、口のまわりのしびれ、顔のほてりを、初期症状に挙げています。

どう防ぐ・どう伝える? 次の薬との併用で、聴覚の症状が増強されるおそれがあります(10.2)。

  • アミノグリコシド系抗生物質(ゲンタマイシン、アミカシンなど):ラシックスとダイアートの添付文書は、第8脳神経障害(聴覚障害)を増強するおそれがあり、内耳の外有毛細胞の壊死から、永続的な難聴が起こる場合もある(ダイアートは「と考えられる」)、と書いています。ルプラックは、併用を避けることが望ましいとし、やむを得ず投与するときは、アミノグリコシド系の血中濃度をモニターして、投与量と投与間隔を調節する、と書いています。
  • シスプラチン(ラシックスとダイアートのみ):聴覚障害が増強するおそれがあります。

脱水・腎機能の悪化

なぜ? 利尿効果は急激にあらわれることがあります(3剤とも8.1)。ラシックスのIFは、過剰な作用で循環血液量が減ると、起立性低血圧が起こる、と説明しています。高齢者では、急激な利尿で血漿量が減り、脱水、低血圧による立ちくらみ、めまい、失神を起こすことがあります。心疾患などで浮腫のある高齢者(ルプラックは「心疾患等で浮腫のある患者」)は、急激な利尿で血栓塞栓症を誘発するおそれもあります(9.8)。

腎機能では、BUN上昇、クレアチニン上昇が3剤の添付文書に載っています(11.2)。ラシックスのIFは、腎障害の成因として、低カリウム血症に基づく尿細管壊死と、高尿酸血症に基づく間質性腎炎が考えられている、と書いています。ラシックスとルプラックの過量投与の項(13.1)には、電解質と体液の喪失で血圧低下、急性腎障害などを起こす可能性がある、とあります。

どう防ぐ・どう伝える? 少量から始めて、徐々に増やします(3剤とも8.1)。次の場面は、特に注意します。

  • ACE阻害薬・アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)(ラシックス):ラシックス投与中にこれらを初めて投与するか増量したとき、高度の血圧低下や、腎不全を含む腎機能の悪化が起こることがあります。ラシックスの一時休薬や減量などを考慮します(10.2)。ダイアートとルプラックにも、ACE阻害剤などの降圧剤との併用で降圧作用が増強するおそれがあります。
  • SGLT2阻害薬(ラシックス、ダイアート):利尿作用が増強されるおそれがあります。血圧、脈拍数、尿量、血清ナトリウム濃度を確認し、脱水に注意します(10.2)。
  • 下痢・嘔吐のある人:電解質失調(ダイアートの添付文書では電解質異常)を起こすおそれがあります(3剤とも9.1.3)。

光線過敏症

なぜ? ラシックスの添付文書に載っています(11.2)。ラシックスのIFは、大量投与で光毒性、常用量では光アレルギー反応を起こすのではないかと考えられている、と書いています。

機序とは別に注意する副作用・安全情報

  • 夜間のトイレ:夜間の休息がとくに必要な人には、ラシックスは昼間(8.4)、ダイアートとルプラックは午前中(8.3、8.4)の投与が望ましいとされています。
  • めまい・ふらつき:降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあり、高所作業や自動車の運転には注意させます(ラシックスとルプラックの8.3)。
  • 肝性昏睡:肝性昏睡の患者には投与しません。低カリウム血症によるアルカローシスの増悪で、肝性昏睡が悪化するおそれがあります(3剤とも9.3.1)。進行した肝硬変症や肝疾患のある人は、肝性昏睡を誘発することがあります(9.3.2、9.3.3)。
  • 禁忌(3剤共通の5項目):無尿の患者、肝性昏睡の患者、体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者、スルフォンアミド誘導体に過敏症の既往歴のある患者、デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)を投与中の患者です。ルプラックは、本剤の成分に対する過敏症の既往歴も禁忌です。

チアジド系とは、どう違う?

低ナトリウム血症、低カリウム血症、高尿酸血症、光線過敏症は、チアジド系にも載っています。

項目 ループ利尿薬 チアジド系
作用する場所 ヘンレ係蹄上行脚のNa⁺-K⁺-2Cl⁻共輸送体(IFによる) 遠位尿細管曲部のNa⁺-Cl⁻共輸送体
高血圧治療での位置 eGFR 30mL/分/1.73m2未満で使う(ダイアートとルプラックに高血圧症の適応はない) 少量が主要降圧薬(G1b)
固有の禁忌 肝性昏睡 急性腎不全
カルシウム ラシックスは低カルシウム血症 血清カルシウムの上昇
難聴 ラシックスは重大な副作用の項に載っている 重大な副作用の項には載っていない

高血圧治療での位置は、日本高血圧学会の高血圧治療ガイドライン2025(JSH2025)の図8-1と表8-2によります。無尿、体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減っている人、スルフォンアミド誘導体への過敏症の既往、デスモプレシン併用中は、どちらの系統も禁忌です。

同じ薬効群の薬は、どう違う?

3剤の違いは、添付文書で確認できた範囲で、次の表にまとめました。

項目 フロセミド(ラシックス) アゾセミド(ダイアート)・トラセミド(ルプラック)
適応 高血圧症、悪性高血圧、心性・腎性・肝性浮腫、月経前緊張症、末梢血管障害による浮腫、尿路結石排出促進 ダイアート:心性浮腫(うっ血性心不全)、腎性浮腫、肝性浮腫。ルプラック:心性浮腫、腎性浮腫、肝性浮腫
通常の用法 1日1回40〜80mgを連日又は隔日 ダイアート:1日1回60mg。ルプラック:1日1回4〜8mg
低カルシウム血症・光線過敏症 どちらも載っている どちらも載っていない
耳の副作用 重大な副作用に難聴。11.2にも聴覚障害(頻度不明) ダイアート:耳鳴(0.1%未満)。ルプラック:聴覚障害(0.1%未満)
その他の特徴 ― ダイアート:抗ADH作用がin vitroで認められている(18.1)。ルプラック:ラットの腎細胞質画分で抗アルドステロン作用(18.1)

ルプラックのIF(第14版)は、抗アルドステロン作用を有し、他のループ利尿剤より尿中へのカリウム排泄量が軽減されている(ラット)と書いています。一方で、臨床試験で電解質失調(低ナトリウム血症、低カリウム血症、低クロール性アルカローシス)が認められている、ともあります。

患者さんには、どう伝える?

  • 飲み始め:「尿の量が増えます。ふらつくことがあるので、立ち上がるときはゆっくりにしてください。」
  • 飲む時間:「夜にトイレで起きたくないときは、昼間か午前中に飲んでください。」
  • だるさ・脱力:「だるさや力が入らない感じ、脈の乱れが続くときは、相談してください。血液検査で、カリウムなどを確認します。」
  • 耳:「聞こえにくさや、耳が詰まった感じ、耳鳴りが出たら、教えてください。」
  • 皮膚:「日光に当たった部分の皮膚の症状が出たら、教えてください。」
くわしい条件

主な併用注意(ここまでに出していないもの)

  • 甘草含有製剤(ラシックス、ダイアート):カリウム排泄作用が重なり、低カリウム血症が出るおそれがあります。
  • シクロスポリン(ラシックス):フロセミドによる高尿酸血症と、シクロスポリンによる尿酸塩排泄の阻害で、痛風性関節炎が出るおそれがあります。
  • 尿酸排泄促進剤(プロベネシド等)(3剤):尿酸排泄作用が弱まるおそれがあります。
  • ヨード造影剤(ラシックス15.1):造影剤腎症のリスクが高い人にラシックスを投与した場合、造影剤投与前に輸液のみ行った群に比べ、造影剤投与後の腎機能悪化の割合が高かったとの報告があります。
  • 他の降圧剤(3剤):降圧作用が増強するおそれがあります。例として、ラシックスはβ遮断剤等、ダイアートとルプラックはACE阻害剤、β遮断剤等が挙がっています。
  • 糖尿病用剤(スルホニルウレア剤、インスリン等)(3剤):作用を著しく減弱するおそれがあります。
  • ビグアナイド系薬剤(ダイアート):乳酸アシドーシスを起こすおそれがあるため、脱水症状があらわれた場合には適切な処置を行います。
  • コルホルシンダロパート(ラシックス):心室性期外収縮等の不整脈の発現を助長させるおそれがあります。モザバプタン(ラシックス):利尿作用が増強するおそれがあり、脱水症状に注意します。アリスキレン(ラシックス):併用(空腹時)でフロセミドのCmaxとAUCが減少するため、利尿作用の低下をモニタリングします。
  • 昇圧アミン(3剤。例はノルアドレナリン等):昇圧アミンの作用を減弱するおそれがあるため、手術前の患者では、本剤の一時休薬などを行います。
  • ツボクラリン及びその類似作用物質:カリウム値の低下で神経・筋遮断作用が増強されると考えられています。手術前の患者では、一時休薬などを行います。
  • 非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等):腎でのプロスタグランジン合成が阻害され、利尿作用が減弱するおそれがあります。
  • リチウム:リチウムの腎での再吸収が促進され、血中濃度が上がるおそれがあります。
  • サリチル酸誘導体:腎の排泄部位で競合し、サリチル酸中毒が出るおそれがあります。
  • セファロスポリン系抗生物質:抗生物質の腎毒性を増強するおそれがあります。

添付文書・IFと総説の補足

  • カルシウム尿症・腎石灰化症:ダイアートのIFは、他のループ利尿剤を早産児に長期に投与して腎石灰化症を認めた報告があり、結石形成の機序は長期投与によるカルシウム尿症と考えられている、と書いています。ラシックスとダイアートの添付文書にも、低出生体重児の腎石灰化症が載っています(9.7.1)。
  • 低カリウム血症:ダイアートのIFは、使用成績調査で高齢者の低カリウム血症の発現率が有意に高かった、と書いています。
  • 降圧:ラシックスの添付文書(18.3)は、降圧効果は徐々に発現し、機序は利尿による循環血漿量の減少と血管壁のナトリウム含量の減少によると考えられている、と書いています。
  • 難聴:Dingらの総説(Ding D et al. J Otol. 2016;11:145-156)は、フロセミドなどは通常は一時的な聴力低下を起こし、永続的な難聴は、重い腎不全の場合や他の耳毒性のある薬と使う場合を除いて、まれだとしています。IFとは別の説明も挙げています。ループ利尿薬は蝸牛の血管条の浮腫や内リンパ電位の低下を起こし、血管条のNa-K-2Cl共輸送体の阻害のほか、血管条の血流の消失が早い時期の変化とされています。in vivoで見られるNa⁺/K⁺-ATPaseやNa-K-2Clの変化は、血管条の虚血と無酸素による二次的な影響かもしれない、とも述べています。
  • 光線過敏症:ラシックスのIFは、クロルベンゼンスルフォンアミドが抗原決定部位だという報告も載せています。Mooreの総説(Moore DE. Drug Saf. 2002;25:345-72)は、ヒドロクロロチアジドやフロセミドのように構造に塩素を持つ薬は、紫外線で塩素が外れてフリーラジカル反応が起こると説明し、予防として衣服や日焼け止めによる遮光を挙げています。

そのほかの重大な副作用

ラシックスの重大な副作用には、ショック、アナフィラキシー、再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少、赤芽球癆、水疱性類天疱瘡、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症、間質性腎炎、間質性肺炎もあります(いずれも頻度不明)。ダイアートは無顆粒球症、白血球減少、ルプラックは肝機能障害、黄疸、血小板減少が載っています。

妊婦・授乳婦

ラシックスは、妊娠初期又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与します(9.5)。授乳しないことが望ましい、とあります(9.6)。ダイアートは、授乳の継続又は中止を検討します。

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ご利用にあたって この記事は、薬剤師など医療従事者に向けて、添付文書や公開資料をもとに一般的な情報をまとめたものです。個々の患者さんへの投与や治療の判断は、最新の添付文書と、医師・薬剤師の判断に従ってください。内容の正確さには注意を払っていますが、正確性や最新性を保証するものではありません。この記事の情報を利用したことで生じたいかなる損害についても、当ブログは責任を負いかねます。

よくある質問

ループ利尿薬は、なぜ低カリウム血症を起こしますか?

ラシックスのIFは、2つの道すじを挙げています。ヘンレ係蹄などでNa⁺の再吸収が止まり、遠位尿細管でNa⁺とK⁺の交換が活発になること、そして循環血漿量の減少でアルドステロンの分泌が増えることです。連用するときは、電解質を定期的に検査します。

ループ利尿薬で、難聴は起こりますか?

ラシックスの添付文書は、重大な副作用として難聴を載せています。ダイアートは耳鳴、ルプラックは聴覚障害が、その他の副作用に載っています。アミノグリコシド系抗生物質との併用(3剤)、シスプラチンとの併用(ラシックスとダイアート)で、聴覚障害が増強されるおそれがあります。ルプラックの添付文書は、アミノグリコシド系抗生物質との併用を避けることが望ましいとしています。

ダイアートやルプラックにも、ラシックスと同じ副作用がありますか?

低カリウム血症と低ナトリウム血症は、3剤の添付文書に載っています。低カルシウム血症と光線過敏症は、確認した範囲では、ラシックスの添付文書だけに載っています。

薬の使い分けをPDFにまとめています。気になる方は薬の使い分けPDFもどうぞ。

出典・更新日

更新日:2026年10月2日。添付文書とIFは、いずれも2026年10月2日に確認しました。

  • ラシックス錠 添付文書(2026年4月改訂、第3版)。KEGG MEDICUS japic_code=00068360:2.、6.、8.、9.、10.、11.、13.、15.1、18.
  • ダイアート錠 添付文書(2026年10月改訂、第2版)。メーカー(三和化学研究所)のPDFで確認。KEGG MEDICUS japic_code=00048008の掲載は2022年12月版で、2.、4.、6.、8.、9.、10.、11.、18.1の本文は旧版と同文
  • ルプラック錠 添付文書(2025年12月改訂、第2版)。KEGG MEDICUS japic_code=00045766:2.、4.、6.、8.、9.、10.、11.、13.、18.1
  • ラシックス錠 医薬品インタビューフォーム(2026年4月改訂、第14版):副作用の処置方法と機序の表、Ⅵ.2(1)
  • ダイアート錠 医薬品インタビューフォーム(2026年10月改訂、第13版):Ⅵ.2(1)、9.1.2・9.7.1・9.8の解説
  • ルプラック錠 医薬品インタビューフォーム(2025年12月改訂、第14版):Ⅰ.2、Ⅵ.2(1)、2.3・8.2・10.2の解説
  • フロセミド錠「武田テバ」 医薬品インタビューフォーム(2017年6月改訂、第13版):Ⅵ.2(1)
  • 日本高血圧学会. 高血圧治療ガイドライン2025. 表8-2、図8-1
  • Ding D et al. J Otol. 2016;11:145-156
  • Moore DE. Drug Saf. 2002;25:345-72

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